第3章 変わっていくということ ~僕は、ぼくなのに~
2年生になって、
僕は潤くんに誘われてサッカーを始めた。
ママにカッコいいシューズとボールを買ってもらって、僕は潤くんと練習に通った。
リフティングとか、上手になりたいから、
家でもたくさん練習した。
それまであんまり見なかった、
Jリーグの試合とかも観るようになって、
僕はどんどんサッカーの楽しさに、
目覚めていった。
そうなると、
それまで通っていた絵画教室や、
エレクトーン教室に行くのが、
面倒になり、
ママにやめたいって、そう言った。
翔母「でも、翔だって頑張るって、
そう言って始めたのに...もう少し頑張ってみたらどうかと思うんだけど...?」
「だって、サッカーもっと練習して、
上手くなりたいんだもん!
そんで僕、ブラジルに行って、サッカーするんだ」
翔母「...しょうがないね~
でも、...パパにはなんて言うの?」
「...パパには...パパに言わなくても、
分かんないよ!どうせ、忙しくって、
僕のことなんか、知らないし...」
...そうだよ、パパは僕のこと、
どうでもいいんだ...仕事で家にもあんまりいないし。
そして、僕は週3回の練習に通い、
潤くんとCチームになれた。
そんな感じだから、
当然雅紀くんとは、一緒に帰ったり、
遊ぶことがほとんどなくなってしまった。
それは、ちょっぴり寂しかったけど、
それよりも、潤くんとサッカー行ってることが、
僕には、一番楽しいことになっていた。
雅紀くんは、
そのことは、何にも言わなかった。
僕と遊びたい...とも、
サッカー頑張って...とも...