第11章 目指す道
土曜日の午後。
俺と翔は、翔の部屋で、進路調査票を広げて、
本やパソコンで学校を調べていた。
...といっても、翔の志望校は、
調べなくても某有名国立大学の医学部で、
神様しか入れないようなすげぇ~ところで。
...まあ、翔が行かなくて、いったい誰が行くんだよ~?って話。そのくらい、彼は余裕なんだよね。
「余裕とかいうなよ~そんなことないからね!
目標決まったら、俺だって必死にやらないと///」
俺はその点、学年では一桁にいる、って言っても、翔と違って三流高校での話だから。
学校選びも慎重に...
「雅紀は、自宅から通うでしょ?」
「うん...そのつもりだけど...翔は?違うの??」
「俺さ、始めは違うけど、そのうちには、
一人暮らししようかって、そう思ってるんだ~」
初めて聞く翔の大学生活の話...
ちゃんと考えてるんだな...って、まずビックリするし、それに、一人で暮らすなんて、俺は思ってもいなくて...
「...に...らす?」
「えっ??何?なんて言ったの??」
翔は耳まで赤くしながら、
「だから、一緒に暮らそう?って...」
「えっ??それって...」
「もちろん、雅紀がいいならの話だけど...
一人で暮らすのは危ないとか、心配だとか言うからさ!俺の親...
だから、雅紀と一緒なら、大丈夫なのかな~って思って。」
「...翔...」
突然の翔の提案に、俺は口を開けて、アホ顔してて...
何か、言わなきゃって、そう思っていたら、
「ましゃきー!!ただいまぁ///」
突然部屋のドアが開いて、修が飛び込んできて、俺に抱きついた。
「おっ..修..おかえり~」
で、話はそれで中断した。