第10章 大人の階段昇る
「雅紀...辛かった?」
「うんん...ちっとも...気持ち、よかったよ」
「ほんとに?嫌じゃなかった?」
繋がったままだけど、翔が不安そうな顔で、
俺のこと覗き込んでいるから、
俺は、翔の背中をぎゅっと抱き締めて、言った。
「翔...俺ね...ずっと、ずっと前から、翔のこと好きだったんだよ!...その翔と、こうやって愛しあえた...
もうね、夢なんじゃないかって、そう思うくらい、幸せだよ...ありがとう...翔..」
「雅紀!!!」
翔は、俺の胸に顔を付けて、鼻を啜った。
...翔が愛しい...
怖くてつらい経験から、ほんの少し、抜け出せたんだろうか?...俺といたことで...俺とシタことで、1つ吹っ切ることが出来たんだろうか...?
聞きたかったけど、俺は黙って翔の髪を撫でていた。
「...ごめん...もう出るね...」
翔が俺の中から出て行った。
何だかそれを、凄く寂しいってそう思ってしまう俺は、もしかして、そっちだったのかな?
と、今更感じた。
「...見ないでね...」
俺に背中を向けて、翔は後処理をした。
俺も、その間に、手と腹を綺麗に拭いた。
「シャワーする?」
翔の背中に聞いてみると、翔は恥ずかしそうに振り向いて、
「もう一回、ぎゅって、して欲しい...」
...(≧▽≦)..ズキュ―――ン///何それ??
「おいで♪」
俺が両手を広げると、翔はキラキラの笑顔で、俺の腕の中に飛び込んできた。
その衝撃で、後ろに倒れて、
俺たちはもう一度、生まれたままの姿できつくきつく抱き合った。
「雅紀...大好き///」
「翔///俺も、大好き!!」