第9章 男同士
俺たちは、男同士だ。
そんなことは、分かってる。
世間では、同性愛とかって、そう言うんだ。
俺は、あんなことがあって、
男の人が怖いって、そう思ってたけど、
今も、そう思うけど...
だけど、雅紀は違うし、男だとか、女だとか、そんなこと考えて、人って好きになるのかな?
先輩のマンションで、松岡くんが抱かれてるのを見たときは衝撃的だったけど、それは、男同士だったからなんじゃなくて、
男同士でも、ちゃんと愛し合えることに衝撃を受けた訳で。
俺があの日、高校生にされたことには、愛の欠片も存在しなかったけど。
...雅紀とは、ちゃんと愛し合いたい...
心からそう思う。
今日、彼の肌の温もりを感じて、
俺は本当に幸せだった。
たった、あれだけのことで、
...まあ、結構きわどいこともしたけどさ(*ノωノ)
あれで、あんなに幸せだったんだから、
ホントに雅紀と愛し合えたら...
どんなにか嬉しくて、幸せに感じるか...
でも...
出来るのかな...?俺に...
無理しなくていいって、
雅紀は言ってくれたけど、
...俺、出来るのかな~...
何度も振り返り、
手を振る雅紀を見送りながら、
俺は、俺たちのことを考えていた。
ちょっと話した将来のことも含め、
雅紀とこの先も、ずっと一緒に居るってことについて。
...不自然、なのかな?
男同士で、一緒に居ること...
愛し合うこと....
でも...
やっぱり、今は、俺、雅紀が好きで、
雅紀と愛し合いたいって、そう思う...
その気持ちは嘘じゃないから...
自分の気持ちに素直に生きたい...
...今夜、改めてそう思った。