第8章 イノセント
【 雅紀side 】
目を開けたら、白い天井だった。
首を横に向けたら、
そこから痛みが背筋に走った。
窓の外は、空...
どこまでも青くて、抜けるような透明な空...
身体に感じた僅かな重みに目をやれば、
そこには眠る翔がいた。
俺の布団に顔を着けて、
天使のような顔で眠っている...
白い頬が...
長い睫毛が...
......なんて綺麗なんだ...
「...かわいそう...」
翔の髪を撫でながら、そっと呟くと、
翔がゆっくり目を開けた...
何が??
という表情の翔...まだ半分夢の中なのかな?
「...髪...」
「えっ?...髪..?」
翔は今度こそ身体をしっかり起こして、
自分の頭に触りながら、俺のことを見た。
「そう...痛いって..
...きっと、そう言ってる...」
そう言うと、翔はニッコリ笑った。
その笑顔は、小さい頃から
ちっとも変わってなくて...
「.....雅紀...どう?..身体..」
心配そうに聞かれて、
あちこち、痛いことに改めて気づいた。
「...うん..だい..じょ.う.ぶ.」
起き上がろうとすると、
胸に刺すような痛みが走った。
「つっ/////」
そんな俺に慌てて寄り添い、
俺を抱いて支えてくれる翔。
「ダメだよ..肋骨が3本折れてるんだから~//」
俺の顔のすぐ側に翔の顔があって....
「へへっ...役得..♪」
俺がそう言うと、翔は少し赤くなって、
俺から離れた。
「...バ~カ..」
目を伏せた翔の長い睫毛に、
...怪我しちゃったけど、
翔にこのまま俺の側に、居て貰えるなら、
よかったのかも..(^-^)
とさえ思えた。