第7章 変わりゆく自分
......それをしなければいけないのは、
ホントは俺なのに...
雅紀の両親は、ケガをした息子のベッドに付き添って、廊下を歩いて行った。
......ごめんなさい...
... ......
看護師の案内で、病棟の方に向かう雅紀たち...
.........
俺は、走り出していた。
丁度、廊下の角を曲がったところで追いついて、
俺は、折れ曲がるくらいに頭を下げた。
「ごめんなさい!!俺のせいで///
雅紀が...怪我してしまって...
全部俺がいけないんです!!
本当に...ごめんなさい//////」
すると、雅紀のお母さんが俺の身体を起こして、
「翔くん...変わるチャンスはいくらだってあるのよ...
...雅紀のためにも...翔くんが..」
「...しょ..う...」
雅紀が俺を呼んでいる...
俺は、お母さんに促されて、雅紀の側に行った。
「...雅紀...俺...」
雅紀の手を握ると、彼は腫れた目を細めて笑った。
「翔...よかった...」
と...
それだけ言って、また眼を閉じた。
......涙が、頬を伝った。
雅紀の手は、とても温かくて、
その温かさが、嬉しかった。
......生きててくれて、
ホントによかった...
...毎日、暗闇の中で、
出口を求めて彷徨う日々...
自分のことが誰より嫌いで、
弱い自分と向き合うのが怖くて、
全てのものから背を向けて、逃げていた。
自分がどうなってしまうのか不安で、
毎日が、惰性で過ぎていた...
......雅紀...
俺...
......変われるのかもしれない...