第1章 はじめまして太陽さん
彼が入ってきた瞬間、教室はざわざわと騒ぎ始めた。
「じゃあ〜…千歳は日向の隣の席に座ってくれ。」
「わかりました。」
(大きいな~…)
たぶん、クラスのみんながそう思ってた。
(日向さんの隣…ってことは私の前の席か…)
私の席は窓際の一番後ろ。
今回くじ運がよかったのだ。
こちらに向かってくる千歳くんはほんとに背が高くて、席に座るまで私はずっと口が開きっぱなしだった。
「日向さん?って言ったと?
仲良くしてくれると嬉しか。」
「う、うん!よろしゅう!!
わからないことがあったらなんでも聞いてや!」
前の席の二人のやり取りをぼーっと聞いていた。
千歳くんの言葉遣いはなんか聞いたことないような感じだった。熊本の方言なんだろう…
その後先生が少し話をして、HRは終わった。
その途端、前の席の彼の周りに人が集まってきて、千歳くんに質問攻めだ。
席の周りがうるさくなってしまったので、私は立ち上がって廊下に出た。
(まぁ別に転校生のことなんて今聞かなくても噂とかで広まってくるやろ…)
そう思って1つあくびをした。