第1章 はじめまして太陽さん
「〜!!1組!!?」
『うん!日菜子は?』
「うちも1組やで!!」
『え!?ほんま!!?』
「ほんま!!めっちゃ嬉しいわ~!!
1年間よろしゅう!!」
中学3年の春。
四天宝寺の門を潜るのも今年が最後かとかそういうことを考えてた。
「なんかうちのクラス、転校生来るらしいで?」
『え!?この時期に!?』
純粋に驚いた。
だって中学3年だよ?
変な時期に転校してくる人がいるんだなって思った。
教室に着くと、新しいクラスメイトに「1年間よろしく」みたいな感じで軽く挨拶をした。そんなことをしていると時間が経つのは早いもので、すぐ先生が来てHRが始まった。
「今日からみんなの担任になりました。鈴木先生です。1年間よろしく頼むわ!!」
鈴木先生は去年も私達の学年で担任持ってたから知ってる。明るくて面白い若い男の先生だ。
「先生!!はよ転校生紹介してくださ~い!!」
クラスの男の子が大きな声でそう言った。
「なんやお前ら!こんなイケメンな担任より転校生の方気にすんのかいな!!」
「先生、鏡見てきたらどうですか〜?」
どっとクラスが笑いに包まれた。
「まぁええわ。ほな転校生入ってきてえぇでー!」
私はこの時のことを今でも忘れはしない。
初めて彼と出会った日。
ガラガラ…
(え…!?)
「熊本から来た千歳千里ばい。
よろしく頼んます。」
独特の方言で自己紹介した男の子はとにかく…
(背ぇ高ッッッ…!!!!!)
これが彼への第一印象。