ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
「潤くん、わかったから泣き止んで?
また発作起きたら嫌でしょ?」
ハンカチで潤の涙を拭う。
「智…兄……ごめん…なさ…い。
お願い…だか…ら、嫌い…に…なら…ないで…」
縋るように僕のシャツを握る潤くんがかわいい。
小さい頃、迷子になった潤くんを散々探して…、ようやく見つけたときこんな感じで僕の服を握って…。
あの日はもう…潤がなぜか僕にベッタリで…。
いつもならああいうときは母さんにベッタリになるはずなのに、不思議なことに何故か僕だったんだ。
それどころかしばらくの間、僕から離れない潤に翔たちが怒って喧嘩になって…。
でも…あの小さい手を振り払うことなんて出来なかった。
僕にとって大事な大事な弟だから…。
今だって…そう。
僕より大きくなってたくましくなった潤くんだけど…、院内では僕より頼りになるって言われてる潤くんだけど…でも僕にとっては可愛い弟なんだ。
「嫌いになんて…ならないよ。
嫌いなら…潤くんのやったことを注意なんてしないよ?
大好きで大事だから…潤くんが辛い思いをするのが嫌だから…だからね、言うんだよ?
大好きだよ、潤くんのこと」
シャツを掴む潤くんの手に自分の手を重ねた。