ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第2章 Dear ―Doctor Call Ⅱ ー
僕に怒られると思っているんだろうなぁ…。
真っ青な顔で震えてる。
そんなになるぐらいなんだから…わかってるだろうに…。
「潤…まず、僕に約束して?
もう、二度と自分で自分に処方しないって」
震える潤の拳に手を添えながら言う。
「あのね、潤は医者だからさ処方する権利がある。
自分に処方するのもね、保険を使わなければ問題ないよ?
でもね、潤が国家試験に受かった時に僕たちと約束したよね?
『自分自身には処方しない。
具合が悪ければ誰かの診察を受けて処方してもらう』って。
理由、覚えてる?」
聞いた僕に潤が小さく頷いて答える。
「あらぬ疑いを避けるためと…誤診を防ぐため…」
「そうだよね?
今回、自分でシムビコートを処方したってことはなんらかの不安があったんだよね?」
「うん…。
救急、今、スタッフが不足してて…シフトもあってないような状態で仮眠もほとんど取れなくて…。
でも…常に緊張状態で…。
このままだとまずいとは思ったけどスタッフが増えるわけじゃないから…踏ん張るしかなくて…。
そんな中で俺まで倒れる訳にいかないから…予防にって思って…」