ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第1章 Doctor Call
「わかったよ、もう!
今日はみんなでゴロゴロしよ?
それならいいだろ?」
なんだかんだで仲のいい弟たちが結託したら、一人で勝つなんてできないのは自明の理で…。
俺はヤケになって3人にそう言うと「智くん、助けてーーー」ってそのまま智くんの後を追いかけた。
「ふふふ、翔くん、お疲れ様」
ソファーに座ってた智くんが隣に座った俺に身体を預けるように寄りかかってくる。
その重みを心地よく感じながら、ダイニングの弟たちに目を向ける。
あれだけ色々言ってたくせに、切り替えの早い弟たちは3人でわちゃわちゃと喋りながら楽しそうにしている。
それを見ていた智くんが嬉しそうに笑う。
「翔くん…うちの弟たちは可愛いね?」
「うん、ほんとそう思うよ」
そういう俺に智くんが可愛く笑う。
「あのね、翔くんも僕のかわいい弟なんだよ?」
わかってる?と言わんばかりの表情。
はははは…もう…かなわないよ、智くんには。
ふにゃっと笑いながら弟たちを見る顔は慈愛って言葉がぴったりで…。
その表情に癒やされる…。
智くん…大好きだよ。
これからも俺たちの大好きで大事な兄さんでいてね?
なんて思ってたら…。
「あーーーいつの間に!」
和の悲鳴のような声で3人の目線が俺たちに注がれ、俺の束の間の平和はあっさりと崩れ去る…。