ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第1章 Doctor Call
「智?
わがまま言わないでさ、ちゃんと診せて?
雅兄が嫌なら俺でもいいよ?」
ベッドサイドに浅く腰掛けながら言うとまた、反対に寝返りを打つ。
まぁ、逆サイドには雅兄がいる訳で…。
「さとちゃん?なんで嫌なの?」
雅兄が優しく聞いてる。
俺と違って気長な雅兄はゆったり構えながら智兄が理由を言うのを待っている。
髪の毛をゆっくりと撫でてまるで指先から気持ちを伝えるように…。
しばらく静かな時間が続く。
根比べのような時間に先に白旗を上げたのは以外にも智兄の方だった。
「………だって……二人とも…
翔くんと…和くんのこと…怒る……もん…」
もんって、どんだけ可愛いんだよ。
ちっ、2人に説教してやろうと思ってたけど…出来ないじゃん。
それはきっと雅兄も同じなんだろうな。
髪の毛を撫でる手の動きはそのままに智兄に言う。
「別に怒らないよ?
なんか嫌なことされたなら怒るけど…。
違うでしょ?
少なくとも昨日より顔色いいしちゃんと寝れたんでしょ?」
こくんと頷く智兄。
2人の雰囲気に雅兄に任せるのが当たりだと思ったから俺は翔兄と和兄を促して下に降りた。
「二人とも…朝ごはんにしよ?
俺、なんか作るからさ、ちょっと待ってて」
着替えに行こうとする俺にふたりも「わかった」ってわらいながら言ってた。