第2章 ifの願い(コムイ)●
「じゃあまた今度、結果どうだったか教えてよ。そんでその時文房具の1つでも買ってください。」
「…ありがとう。」
他の人がいえば社交辞令かとも思うだろう。
それでも彼女からはそんな空気は微塵も感じず、纏う清々しさは、自分まで素直にさせてくれるようだった。
「お花ね、妹さん1人に世話させないようにね。みんなでね。」
「うん、そうするよ。」
再び差し出される花屋の地図を今度は受け取る。
丁寧に書かれたそれは見ているとなんだか愛しさが生まれるようだった。
「…僕はコムイ・リー。キミの名前を教えてもらっても良いかな?」
「高凪沙優です。またのご来店をお待ちしておりますね。コムイさん。」
店の出口まで見送りに来てくれた彼女に手を振る。
彼女はぺこりとお辞儀をすると手を振り返してくれた。