第1章 距離感調節中(リンク)
「あ、アレン!ハワード…!………さん…」
翌朝、食堂で私達を視界に止めた彼女は、早速手を振りながら声をかけてきたけれども、バッと集まる周りの視線にその声はみるみる小さくなっていき、彼女の顔はじわじわと赤く染まっていく。
「え?今、なんで、いつの間に呼び捨て…?!」
隣のウォーカーはせわしなく私と彼女を交互に見やる。やはり名の呼び捨ては2人だけの時にして貰おうか。
顔を赤くし、下を向きながら早歩きでこちらへ近づいてくる彼女を見ていると、なんとなくだがじんわりと胸が熱くなるような、掴まれるような感じがした。
「おはようございます。沙優さん。」
「おは…え?リンク今」
「何でしょう。」
ケロリと応えれば、彼女はクスクスと笑った。
>距離感調節中 fin.