第17章 砂のアカデミー
『生きる意味なんて、ずいぶん難しい事考えてるね!我愛羅くらいの年の子なんて、そんなこと考えないでただ生きてるだけだと思うよ?』
私は、意味なんて無くても生きていいのだという意味をこめ、我愛羅に言う。
我愛羅は、そんなこと考えたこともなかったのか驚いた顔をしている。
「俺の名前は自分だけを愛する修羅という意味がある。俺はこの名前の通り他者を殺し、自分だけを愛して生きて行かなければならないんだ。」
我愛羅は私の言葉を否定した。
『ねぇ、一つ雑学!』
突然話しを変えた私を、我愛羅が眉間にシワを寄せて睨んだ。
だが、私は気にせず雑学を披露した。
『羅っていう夏の織物があるの。それは夏の織物の王様って言われていて、透き通っていてとても綺麗なんだって~。
…我愛羅ってさ、我の愛する美しい子とも訳せるね?』
私はなに食わぬ顔でそう言うと我愛羅に笑いかけた。
「そんなはずはない。母は俺を生んで死んだ。俺を恨んでいるはずだ。」
我愛羅は頑なにそう言った。
『我愛羅、母親はね、子供を産むか産まないか選べるんだよ。』
私は、そう言うと我愛羅を見つめる。
驚く我愛羅の目が私を見つめる。
『まぁ、どう取るかは我愛羅次第かな!』
私はそう言うとメンマをつれて部屋を出ようとする。
「そいつを守ってやる。」
囁く程の小さな声で我愛羅が言う。
『ありがとう!我愛羅!
…お礼に、我愛羅は私が守るね!』
私はそう言うと、今度こそ部屋を出た。
残された我愛羅は、私の最後の一言に驚いて立ち尽くしいた。