第14章 囚われの…
何とか二人を抱えて家に着くと、
チャクラが切れた俺は倒れこんだ。
ダンゾウとの戦いで負った傷に、九尾の力を瞳術で抑えたダメージ、チャクラ切れ。
死ぬのも時間の問題だとさとる。
(だが、まだ死ぬわけにはいかない!)
自分と同じように、娘も、早く治療しないと命にかかわった。
俺は、力を振り絞り、忍鳥を使い親友を呼んだ。
ほどなくして、俺の横に気配が降り立つ。
「シスイさん…。」
気配の主は驚いた声で俺の名を口にした。
「遅くにすまないな、イタチ。」
驚く親友に、俺はそう言った。
どうしたのかと聞かれる前に、俺はダンゾウのことと娘のことを話す。
そして…。
「イタチ、俺はもう助からない。」
そう言って娘の目をイタチにわたす。
「お前が預かっていてくれ。
それから、俺を殺して、俺の目をルミに移植してくれ。」
幼い身体でダンゾウと戦った娘はすぐに万華鏡の反動を受けるはずだ。
それなら、どうせ死ぬ俺の目をやりたい。
イタチも俺の言いたい事がわかったようだった。
俺は、胸のポケットから、あの髪紐を取り出した。
そして、イタチを呼んですぐに書いた手紙とともにイタチにわたす。
「娘に渡してくれ。俺が死んだ後はたのむぞ。」
俺の言葉にイタチがとまどう。
「早く殺れ。ルミには時間がない。」
俺はイタチを急かす。
俺が最後に見たのは涙を流すイタチだった。