第14章 囚われの…
娘のもとへたどり着いた俺は、言葉を失った。
そこで目にしたのは、両目から血を流す娘と、その横に立つ、里の上層部、ダンゾウ。
その手には二つの紅い目…。
瞬時に状況を理解した俺はダンゾウに術を放っていた。
俺は最初の不意討ちでルミの両目を取り戻す。
そのままダンゾウとの戦いが始まった。
だが、戦いが始まってすぐ、それは、起こった。
「ルミ…、ルミ?」
小さな声が娘の名をよぶ。
そして…。
俺は、覚えのある気配に包まれた。
それは、六年前、あの事件の時に感じたもの。
九尾の気配だった。
驚いて気配の元を見ると赤い髪の少女が娘を抱えていた。
そして、少女は咆哮するとダンゾウに飛びかかった。
(なぜ、彼女が九尾の力を!?)
人柱力ではない彼女から感じりる九尾の気配に違和感を持つ。
だが俺は、今はそれどころではないと娘に駆け寄った。
(息はある!)
俺は娘が生きていたことに安堵する。
そして、赤い髪の少女を振り返った。
彼女は恐らく娘の友人なのだろう。
二人でこんなところで何をしていたのかは知らないが、とにかくダンゾウから無事に逃がさなければならなかった。
俺は瞬身でダンゾウの前に立った。
「別天神!」
瞬時に万華鏡を発動させ、術をかける。
そして、赤い髪の少女と娘を抱えて瞬身を使いその場を離れた。