第14章 囚われの…
sideーシスイー
予定より任務が早く終わり、俺は帰路についていた。
わざわざ急いで夜に帰らず、明日の朝でもよかったのだが、家に残してきた可愛い娘を思うとそうもいかない。
俺は木ノ葉に着くと、ベストの胸ポケットを触る。
そこには、今回の任務先で購入した髪紐が入っている。
任務の合間に出た町でふと見つけた藍色のそれは、光を受け7色に輝いた。
ルミに合いそうだと思ったとき、俺は迷わずそれを手にしていた。
(あいつの髪も、長くなったものだ。)
愛娘の幼い頃は短かった髪は、今では腰程まであり、妻であったルカの面影が見え隠れする。
(まぁ、目付きは俺に似たけどな。)
俺は、娘の大きな、だがやや釣りぎみな眼を思い出して一人笑った。
家に着くと、俺はその大事な娘の気配がないことに気が付く。
あわてて家中探すが見つからなかった。
俺は、ルミの身体に隠していた特殊な術を発動させ、娘のもとへとんだ。