第14章 囚われの…
「おやおや、何処からかネズミが紛れこんだようだな。」
後ろから聞こえた声に、私はギクリと振り返った。
『ダンゾウ…。』
私は、漫画でしかみたことのなかった男の名を呟く。
「俺を知っているか…。この場所を見つけたといい、面白い小娘だ。」
ダンゾウはそう言うとゆっくりと私に近いてくる。
「だが残念だ。里の重要機密を知られた以上、生かしておくわけにもいかぬからな。」
ダンゾウは感情の読めない瞳を私にむけてきた。
『何が里の重要機密だ!火影様はこの事を知らない!私は、この事を報告する!』
私は、ダンゾウを睨んでそう言った。
今の私に残された道はダンゾウと戦うことだけだった。
私は覚悟を決め、万華鏡写輪眼を発動する。
「ほう、その年で万華鏡を開眼しているか。お前を殺したら、その眼は俺がもらってやろう。」
ダンゾウはそう言って私に苦難を投げてきた。
私はそれを苦難で弾き返して応戦する。
「風遁・烈風掌」
ダンゾウは苦難を弾く私に術を放ってきた。
『火遁・鳳仙火の術』
私も負けじと、印を組み、火遁を放つ。
だが、両者とも術を交わし、飛び上がる。
木の枝に着地したダンゾウは、腕に巻かれた包帯をほどいた。
その腕から、いくつもの紅い目が覗く。
写輪眼だ。
私はダンゾウに幻術をかけた。
幻術のなかで、ダンゾウに鉄線が巻き付き、肉をばらばらにする。
だが、それは土にかわると、私の後ろにダンゾウが立っていた。
私の腹からダンゾウの腕が突き抜ける。
しかし、その瞬間私の身体が燃え尽き、ダンゾウを炎が包む。
お互いが幻術を掛け合い、しばらくそれが続いた。
「くっ!」
お互いの術が弾かれ、幻術が解ける。
私の前には肩で息をするダンゾウがいた。
『うっ!』
私は目から何かが流れる感覚がして目を擦った。
手を見ると赤く染まっている。
血だった。