第10章 言霊
ミ「ルミちゃんごめんなさい。私が早く気づいていれば怪我しなくてすんだのに。」
私が誘拐された日の夕方、病院で足を治療してもらった私は、家に帰ってきていた。
ミコトさんはわざわざ家まで来て謝っていた。
私がさらわれるのを防げなかったことを謝られる。
何度も気にしないでと言って、ようやくミコトは帰って行ったが、帰る時も謝っていた。
ミコトが帰ると、父と母が真剣な顔で私を見ていた。
私は、拐われたとき、丁度任務から帰って来た両親に助けられた。
二人は病院で私が治療を受けているときは心配していただけに見えたが、今は重い空気を纏っていた。
シ「ルミ、今から大事な話がある。お前はまだ1歳だが、知能は高いようだから話す。」
父が重い空気の中口をひらいた。
シ「まず、ルミの写輪眼についてだ。今日の事件のせいで完全に開眼したようだな。この事が広まれば、目をてに入れようと今日のような事件が起こるだろう。ましてや、ルミはまだ幼いから、今まで目を欲しがっていた奴等にはチャンスだからな。」
父はそう言うと、ため息をついた。
「ルミ、お前はすでに忍術を使えるな?」
父はため息をついたあと、確信を持って私に聞いてきた。
もはや、聞くと言うより確認だった。
私は、こくりと頷く。