第10章 言霊
男1「おい、本当にこいつであってんのか?」
男2「宗家にいたんだから間違いないだろ。」
男1「でも、小さ過ぎないか?しかも、当主の子は男だと聞いていたが、こいつ女だぞ?」
意識が、浮上してきた私は目を閉じたまま男たちの話を聞いていた。
(コイツら、イタチを狙っていたのか?)
話からして、男たちの狙いはイタチだったのではないかと予想する。
男3「確かに。だが、宗家にいたということはこいつもうちはの一族だろう。目的は写輪眼だ。こいつでも問題ないだろ。」
男たちの話しに、私は自分の今の状況を理解した。
(写輪眼狙いの奴に誘拐されたってわけか。この額宛て、見たことないな、原作で、出て来なかった隠れ里か?)
私は目を開けて男たちを見る。
そして、自分を抱える男の腕でから抜け出した。
1「あっ!」
男は突然の事に私を離した。
が、すぐに三人で私を囲んだ。
1「目が覚めちまったか。」
男は嫌な笑いを浮かべ私に近づいてきた。
そして、再び私の後ろに周り込んで手刀を入れた。
1「なっ!?」
だが、男の攻撃は私に当たることはなかった。
私は写輪眼を発動させ男の手刀をかわしていた。
2「おいっ!何やってんだ!」
私の写輪眼が発動したことに気付いていないもう一人の男が、手刀を外した男を責める。
しかし、私の写輪眼を見た瞬間顔色を変えた。
3「こんなガキが写輪眼を開眼しているとはな。」
男が感心したような、それでいて見下しているような声音で呟いた。
3「作戦変更だ。こいつの目だけ持ち帰るぞ。」
男がニヤリと笑ってそう言った。
その言葉に、私の背中に悪寒が走る。
(殺される!)
私は逃げようと周りを見る。
だが、男たちに逃げ道が塞がれてしまっていた。
私が突然写輪眼を発動したことに驚いていた男も、今ではもう落ち着いている。
写輪眼を持っていても、しょせんは子供だと気づいて落ち着きを取り戻したようだった。