第43章 終末での始まり
俺は、ナルトとサスケの病室を聞いて、そこに向かっていた。
「……サクラ…、オレはルミを連れ戻す……
その為なら何だってする……火影にだってなってやる!」
病室のドアの前まで来ると、中からサスケの声が聞こえてきた。
俺はサスケの言葉に驚く。
一瞬の間を置いて、俺は驚いてドアにかけたまま止まってしまった手を動かした。
「起きたんだな…」
俺は病室に入るとサスケに近付いた。
「……ナルトは…まだ起きてねぇのか……。」
俺は、サスケの奥にあるベッドで眠るナルトに視線を移した。
サスケは隣にナルトが寝ていることに気付いていなかったのか、俺の視線を追って初めてナルトの存在に気付いたようだった。
「……ん……」
その時、ナルトが身動ぎして目を開けた。
「……ルミ……」
掠れた声で呟いたナルトに、俺達は一瞬黙り込んだ。
「……ナルト、目が覚めたか?」
俺が声をかけると、ナルトは身体をゆっくり起こした。
「……シカマル……」
ナルトは俺を見るとそう呟く。
「……皆無事だ……命に別状はない。」
俺は、取り敢えず仲間の無事をナルトに告げた。
「……そっか…良かった…」
そう言ったナルトの声は暗かった。
「……ナルト…」
俺が黙っていると、サスケがナルトに声をかけた。
ナルトはゆっくりとサスケに顔を向ける。
「……ナルト、オレはルミを木の葉に連れ戻す!
お前だって、諦めた訳じゃねェだろ?」
サスケの言葉に、ナルトは目を見開いた。
「当たり前だってばよ!」
サスケにそう答えたナルトの声は明るさを取り戻していた。
「じゃ、オレはそろそろいくぜ?」
俺はその様子に安心すると、そう言って病室を出た。
(…俺も頑張らねーとな)
廊下を歩きながら俺は微笑む。
[シカマルはやるときはやるだろ?]
ルミがまだ、流だったときに俺に行った言葉が聞こえてくる。
(……やってやろーじゃねぇか!)
俺はポケットに手を突っ込んで歩き出した。