第43章 終末での始まり
「今回を反省し、経験を生かして学べば…
任務を、より完璧にこなせるかもしれねェ…
本当に、仲間を大切に思うならな、逃げることを考える前に……
仲間のために てめーがより優秀になることを考えやがれ!
それが本当の仲間ってもんだろーが、この腰抜けが!」
親父の言葉に、俺は何も言い返せなかった。
"ガラガラ"
黙ったままいると、後ろでドアの開く音がした。
「もう大丈夫だ……」
後ろで五代目の声がそう言った。
「奈良一族の秘伝の薬剤調合のマニュアルが、役にたった。
あれだけのモノを作り上げるのは大変だったろう
日頃の研鑽の賜物だな。」
五代目は親父にそう報告する。
「綱手様!!」
その時、病院の廊下を慌ただしくかけてくる女がいた。
「日向ネジ…安全ライン確保しました!」
女は更に報告を続ける。
「それと…情報です。
つい今しがた、
はたけカカシとうずまきナルト、うちはサスケの三名が帰還…カカシ以外意識は無いものの、軽傷だそうです。
「三人か…
… シカマル、どうやら任務失敗のようだね。
でも…みんな生きてる。
それが何よりだ。」
五代目の言葉に、俺は押さえていたものが込み上げてきた。
「次こそは…
完璧にこなして見せます…!」
そう答えた俺の声は震えて、涙に濡れた声だった。