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第43章 終末での始まり


sideーシカマルー

俺は、木ノ葉病院の集中治療室の前に座り込んでいた。
治療室の中ではチョウジが治療を受けていた。
ルミの奪還任務で、俺達は重傷、軽傷、それぞれ負って里に戻ってきた。


目の前には、砂の里のテマリとか言う女が座っていた。


ナルトとサスケと分かれた後、音忍との戦闘中こいつは俺の助っ人として現れた。


あくまで、ルミは風影の養子だと言うことで五代目が応援を要請したようだ。

「……任務に犠牲は付き物だ…精神訓練は受けてんだろ?」

落ち着かない俺を見かねてか、テマリはそう声をかけてくる。

「……訓練と実戦は違うだろ…
任務がどういうもんかは分かってるし……忍の世界がこういうもんだってのも分かってたつもりだ…」

俺は、視線をこの任務で負傷した手に一瞬だけ向けた。

(……そうだ、分かったつもりになっていただけで覚悟なんて出来ていなかったんだ…)

「オレはよ……
今回の任務で初めて小隊長についた…それで分かった…


オレは忍にゃ向いてねー。」

俺が話すのをテマリは黙って聞いていた。


「……案外、モロいんだな…、男のくせしやがって…」

テマリのその言葉を聞きながら俺は立ち上がった。

「今回オレが出来たのは……みんなを信じる事だけだった…


オレが甘かった…力が足りなかった…

全部オレのせいだ…」

俺はテマリに背を向けたままそう言う。

「……傷つくのが怖いのか?」

テマリの問いかけは図星だった。
俺は何も答えずに、逃げる様にその場から歩き出す。

「シカマルよォ…
女の子に言い負かされて逃げんのか…」

曲がり角を通り越そうとしたとき、そこにいた親父が声をかけて来た。

「……めんどくせー口喧嘩なんてしたくねーんだよ、
オレは女じゃねーからよ」

俺はそう言ってその場を抜けようとする。

「ああ……でも男でも無ェ、てめーはただの腰抜けだ。


お前が忍をやめても任務は続く。誰かがやんなきゃなんねーんだ。

お前の仲間はまた、別の隊長の下出動するだけだ。
そこでお前の仲間は死ぬかもしれねェ
…だが、もしその時隊長がお前だったら…仲間はそうならずに済むかもしれねェ…」

俺は、いつの間にか足を止めて親父の話を聞いていた。
親父は、背を向けたままの俺に話し続ける。
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