第43章 終末での始まり
sideーサスケー
目が覚めると、白い天井が真っ先に目に入った。
(……そうだ、オレは……)
俺は意識を失う前の出来事を思い出した。
そして、今の状況を把握した。
(……オレは弱い…ルミを…連れ戻せなかった…)
俺は天井を見つめたまま唇を噛んだ。
口の中に鉄の味が広がったが、それでも強く唇を噛み締めていた。
「サスケ君!」
突然、病室の扉が開くとサクラが飛び込んできた。
「……サクラか……」
俺はベッドに寝転がったまま顔だけを入口に向けた。
「……流のこと……先生に聞いたわ……」
サクラは静かにそう言った。
「……流…ううん、ルミが女の子だってことも、いろいろ苦しんでだってことも、私気付かなかった!
ルミが里抜けしちゃうまで…仲間だったのに!!」
サクラは涙声でそう言う。
"パサ"
俺が身体を起こしたことで、布団が捲れた。
「……サクラ…、オレはルミを連れ戻す……
その為なら何だってする……火影にだってなってやる!」
俺の言葉にサクラが涙に濡れた目を見開いた。
(…アイツは、木ノ葉を兄さんが戻ってこれる様な里にしてやれと言っていた……だったらオレは、ルミも兄さんも木ノ葉に連れ戻してやる!)
俺はこの日、強くなることを誓った。