第43章 終末での始まり
「……だからってルミが大切な仲間だって事は変わんねーってばよ!」
俺がそう言うと、ルミは嬉しそうに笑った。
『ナルト、そろそろお別れ見たい…』
笑顔とは裏腹に、寂しそうな声でルミが言う。
「…お別れって……!!
待てってばよ、ルミ!」
俺はそう言って手を伸ばしたが、その手はルミに届くことはなかった。
うっすらと目を開けると、銀色の髪が目の前で揺れていた。
「…カカシ先生…」
俺はその髪の持ち主の名を呼んだ。
「……ルミは…?」
俺は真っ先にそう聞いたが、カカシ先生は答えてくれなかった。
チラリと横を見ると、サスケがデカイ犬の背中に乗せられて運ばれていた。
「カカシさん!
うずまきナルトとうちはサスケの容体は?」
突然、声がしたかと思うと木ノ葉の額宛をした人達が俺たちと一緒に走っていた。
「大丈夫だ。」
カカシ先生がそう答えると、眼鏡をかけたやつが、俺が気になっていたことをカカシ先生に聞いた。
「…うちは千はどこですか!?」
その問にカカシ先生は首を横に振った。
(……行っちまったんだ……ルミ…)
「他の下忍達の状況は?」
俺が落ち込んでいるとそう聞いた。
「ハイ!
火影様の命により、第一、第二医療班が出動。
すでに負傷者を各地で回収…緊急治療を施した後護送しました。」
カカシ先生に眼鏡の奴がそう答えた。
カ「状態は?」
医「ハイ!奈良シカマルは軽傷、犬塚キバは傷が深いですが命に別状はありません。
日向ネジ、秋道チョウジの二名は重体…
今のところ予測がつきません。」
カカシ先生が更に聞くとそう答えが返ってきた。
(……みんな……)
俺の意識は、そこで再び落ちて行った。