第43章 終末での始まり
sideーナルトー
"ピチャッ"
俺はまたあの場所に来ていた。
水の張った、デカイ格子がある場所…化けギツネ、いや、九喇嘛の封印されている場所だった。
『…ナルト…』
聞こえた声に振り返ると、笑顔のルミが立っていた。
「ルミ!!」
俺は慌てルミに駆け寄った。
『…また会えるって言ったでしょ?』
ルミはそういって笑う。
だが、俺はそれ処ではなかった。
「ルミ、大蛇丸の所なんかにいくんじゃねぇ!」
俺はルミの両腕を掴んで訴えた。
だが、ルミは困った様に笑いながら黙ったままだ。
「なぁ!ルミ!!
何で黙ったまま何だってばよ!?」
俺はルミを揺さぶるようにして叫ぶ。
「……ルミは……、オレにとって初めて出来た繋がりなんだってばよ!
………オレを独りぼっちの苦しみから救い出してくれたのがルミだったんだ…
ルミの苦しみを今度はオレが救ってやりてぇ!」
オレがそう言うと、ルミは優しい微笑みを浮かべた。
『…ナルト…、ナルトは一人だったことはないんだよ?
私が初めて出来た繋がりだって言ってたけど、そんなことないんだ…』
ルミの言葉にオレは否定しようと口を開こうとした。
だが、ルミがそれを制す。
『…ナルトには、妹がいるんだよ。』
「嘘だ…だってオレの父ちゃんと母ちゃんは…」
俺を生んだ日に死んだ。
俺は下を向いて拳を握りしめた。
『…砂の里のメンマを覚えてる?
メンマとナルトは双子なんだよ。
メンマは、九喇嘛を通してナルトの見る世界を見ていたんだよ。』
ルミはそう言った後、話し方似てるのはそのせいなのかもと言った。
確かに、メンマの話し方は俺と似ていた。
たけど、だからと言ってルミの言葉を簡単に信じることはできなかった。
俺は思わず九喇嘛を振り返る。
"……ソイツが言っていることは本当だ……"
九喇嘛の言葉に、俺は驚きを隠せなかった。
「……メンマが、オレの妹……?」
俺の呟きにルミが頷く。