第43章 終末での始まり
sideーカカシー
ルミの姿が見えなくなって、動けるようになった俺は、ルミの落としていった額宛を拾いに向かった。
(これに驚いていたのか…)
そこには、抜け忍を意味する横線が入った額宛があった。
俺は額宛を拾うと、倒れているナルト達の元に向かう。
雨はすでに上がったが、ルミの匂いは残っておらず後を追うことは不可能だった。
口寄せで忍犬を呼び、サスケを運ぶように指示して、自分はナルトを背負う。
俺は一度後ろを振り返ると里に向かって駆け出した。
「…カカシ先生…」
しばらく進んだところで背中からナルトの声がした。
「……ルミは…?」
ナルトの問に、俺はすぐに言葉が出なかった 。
「カカシさん!
うずまきナルトとうちはサスケの容体は?」
ナルトに答えられずにいると、医療班の忍が寄ってきた。
「大丈夫だ。」
俺がそう答えると、医療班はナルトと同じことを聞いてきた。
「…うちはルミはどこですか!?」
その問に、俺は首を横に振った。
悲しそうな顔をしたその忍に、今度は俺が問いかけた。
カ「他の下忍達の状況は?」
医「ハイ!
火影様の命により、第一、第二医療班が出動。
すでに負傷者を各地で回収…緊急治療を施した後護送しました。」
カ「状態は?」
医「ハイ!奈良シカマルは軽傷、犬塚キバは傷が深いですが命に別状はありません。
日向ネジ、秋道チョウジの二名は重体…
今のところ予測がつきません。」
俺は取り敢えず死者がいないことに安堵した。