第43章 終末での始まり

『豪火球の術！』

ルミは次の術も印を組まずに放った。


「印無しで術を発動しただと!?」

俺は豪火球をかわしながら驚きに眼を見張る。


『……驚く事ですか？印は本来術そのものではなく、元々在る術を記号化したようなものですよ？

印は作った術を後世に残すための様なものです。』

俺はルミの言葉にまで驚かされた。
確かに、ルミの言う通りだ。
印は術の後に出来たもので、印無しで術を発動することは不可能ではない。

（だが、必要になるチャクラ量が倍ではすまないはずだ…）

ルミのチャクラ量はお多いが俺程でもない。

俺ですらあんな無茶な戦いかたはしないだろう。

俺はルミの戦い方が信じられなかった。


「……うっ…」

ルミと向かい合っていたとき、耳にナルトのうめき声がした。

その声はルミにも聞こえていた様で、ルミの顔に焦りの色が浮かんだ。

そして、ルミは俺に向かって駆けてきた。
俺もルミに向かって走り出す。

ルミが目の前まで来て、今度は体術でやりあう気かと思った瞬間、ルミの姿が消えた。

（また瞬身かっ！）

俺は、ルミが瞬身を得意だと言っていたことを思い出した。
次の瞬間、背後に気配が現れる。


「……クｯ…」

俺は、写輪眼でルミの動きを見切ると、振り落とされた手刀を手首を掴んで受け止めた。

「……捕まえた…！」

俺はそう言うとそのままルミが次の行動を起こす前に写輪眼で眠らせようとした。


『……先生、大分オビトの眼を使いこなせるようになりましたね？』

だが、ルミは術には掛からずそう言った。

俺はルミに術が通用しなかったことよりも、その口から飛び出た名前に驚いた。

「なっ……!?」

俺は戦闘中だと言うのに動きを止めてしまった。