第43章 終末での始まり
ルミは近づく俺から距離を取ると印を結んだ。
出来るだけ怪我をさせないよう、忍術ではなくで体術で戦おうとしていた俺の作戦はかなわなかった。
『風遁・練空弾!』
ルミが印を結び術を放つ。
俺は、写輪眼でルミと全く同じ印を結んで、相殺する威力になるようチャクラを練る。
二つの術はぶつかり合うと、相殺し土煙をあげる。
土煙が晴れると、右手を前に出し、指を指すように構えたルミがいた。
『…風遁・旋風弾!』
ルミは印を組まずにそのまま術を放った。
ルミの指先集まったチャクラが小さな球となり俺の方に向かって飛んで来る。
(あれは…螺旋丸!?)
それは見覚えのあるものより小さかったが驚くしかない。
(印無しで、しかも性質変化まで付加されている…!)
それは風の性質変化を受けていた。
ナルトも印無しで螺旋丸を使っていたが、この術に性質変化を加えたのは、おそらくルミが初だろう。
四代目火影でさえ、形態変化までしかたどり着かなかったのだ。
しかも、ルミの術は、指先から離れて飛んで来たのだ。
"バキバキッ"
俺が避けた術は後ろの木に当たると、弾けて凄まじい風を起こした。
大きさの割りに威力のある術に、俺は戦慄を覚えた。
『…印無しだったらコピー出来ませんよね?』
ルミは不敵な笑みを浮かべて俺を見た。
印を組まないのは俺に術をコピーさせないためのようだ。