第43章 終末での始まり
『……先生、当たりです…でも、サスケには言っちゃダメですよ?』
俺の予測は当たっていたようで、ルミはそう言って人差し指を唇に当てた。
「……じゃあ、どうして里を抜けようとするんだ?
里を抜けた忍がどういう扱いになるか分かっているはずだ…」
俺はなぜ、サスケには内緒なのか疑問に思いつつも、里抜けしようとした理由の方が気になりそう言った。
『……全ては私の願いを叶えるため…私のエゴの為…』
ルミは俺の問に囁くようにそう答える。
俺は、ルミが何を言いたいのかが分からなかった。
「……里に戻る気はないのか?」
俺はルミが否と言うような気がしていたが聞かずにはいられなかった。
『……はい…』
ルミの答は予想通りだった。
「……そうか…。仕方ない…無理矢理連れ帰る仕方ないようだな…」
俺は力ずくでもルミを連れて帰る事を決意する。
今回は奪還任務だが、ルミが抜け忍になってしまったら暗殺任務になってしまうだろう。
俺はどうしてもそれを避けたかった。
「……サバイバル演習の時のようには行かないぞ…!」
俺はそう言うとルミ向かって走る。
ルミは下忍といえ、その中で実力はずば抜けていた。
何より、不可解な点が多くある。
負けるとは思わないが油断できない事には変わりなかった。
『それはどうでしょう?』
だが、ルミはそう言うと強気な笑みを浮かべた。
そのルミの目が赤く染まった。
(うちはと聞いてまさかとは思っていたが、写輪眼を開眼していたか…)
俺は、左目を隠していた額宛を上げた。