第40章 父の巻物
森へつくと、私は巻物を広げた。
辺りに気配がないかを確認する。
変化の術を解き、親指から血を出し口寄せを行う。
"ボフン"
煙が上がり、その中から黒い固まりが現れた。
『……カラス?』
私はその姿に呟く。
「お前がワシを口寄せしたのか?
カラスは私を見るとそう言った。
口寄せ動物が喋るのは知っていたが少しおどろいた。
「お前、シスイの娘か?
……目がにている」
カラスはそう言って私を見る。
私が頷くと、カラスはじっと私を見た。
「ワシはのことはアグレアスと呼べ!
お前と口寄せの契約をしてやる。」
カラスの言葉に私は笑顔になる。
『……私はルミ!うちはルミ!
よろしくね!』
私が満面の笑みでそう言うと、カラスは羽を大きく一度羽ばたき姿を消した。
私は口寄せ動物とは言え、父を知るものとの出会いに嬉しくなった。
私はアパートに帰り巻物をカバンにしまった。
その後、私はアパートを出るとカカシのもとに向かった。
雪の国の長期任務で7班は数日間の休暇を貰ったが、カカシが明日から上忍としての任務を受けているのを知っていたからだった。
『……先生~!』
私はカカシの家まで来ると、ドアの前でカカシを呼んだ。
「…………ルミじゃない……
休みの日に、朝からどーしたの?」
ドアを開けたカカシは額宛を取っていて、左目を瞑っていた。
『……う~ん、特に用はないんですけど……』
私がそう言うと、カカシはドアから一歩下がった。
「……まっ、入りなよ!
コーヒーでも出すから」
カカシの言葉に私は靴を脱いで家にあがった。