第34章 中忍試験~三次試験本選~
「……さっきのメンマってこの事なんだけど……」
カカシは会場を出ると、早速私に話しかけてきた。
『メンマは私と同じ風影様の養子です。』
私はカカシが聞きたいことを勝手に予想して答えた。
「…いや、そうじゃなくて……
彼女の実の両親は?」
カカシがそう言った。
(……やっぱり、あれだけヒントがあれば気が付くか……)
私は、ふうっと息をつくと口を開いた。
『……メンマの両親は先生の予想している人で間違いないですよ。』
私がそう言うとカカシが息を飲んだ。
「…前にお前が言っていたナルトの妹とは彼女のことか?」
カカシの言葉に私は頷いた。
だが、カカシは妹と言うことが納得いかないようだ。
それもそうだろう。
ナルトの両親はナルトが生まれた日に死んでいる。
『……ナルトとメンマは双子です。』
私は考え込むカカシにそう言った。
「なっ!?……だが、三代目が駆けつけた時にはナルトしかいなかったはずだ。」
カカシは独り言のように呟いた。
『火影が表れる前に根のものがメンマを回収したんですよ。』
私がそう言うとカカシが目を見開いた。
「……そんなバカな!
……それより、なぜ砂の里から来たお前が根の存在を知っている?
木ノ葉のものですら一部しか知らないと言うのに……
それに、その話が本当だとしたらなぜあの子が砂の里に?」
カカシは鋭い目を私に向ける。
『……私は過去、木ノ葉の里に滞在していた事があります。
そのとき、メンマが幽閉されているのを見つけて……
私の家族が命がけでメンマを解放しました。
そのあと、私とメンマは木ノ葉を出て砂の里で風影様の養子になりました。』
私は、木ノ葉の里に住んでいたとは言わず、滞在と言い、嘘をつかずに真実を隠しながら話した。
「……そんなことがあれば、騒ぎになるはずじゃ?
いや、根が握り潰したのか?」
カカシがボソボソ言う。
(……騒ぎになったよ……真実とは違う形でね。)
恐らく、あの時の事はシスイが殺害された、または自殺したと言う形で騒ぎになっただろう。