第34章 中忍試験~三次試験本選~
「お色気の術!!」
ぼふんと音をたててメンマが変化した。
煙が薄くなると、黒髪を頭の高いところでひとつに束ねた少女が表れる。
「……サ・ス・ケ?」
全裸の少女は際どい部分を煙で隠したまま、サスケを呼ぶと髪をほどいた。
長い髪がサラサラと流れる。
『……メンマァァァァァァッ!!』
観客席が呆然とするなか私の絶叫が響いた。
メンマが変化していたのはうちはルミだったのだ。
しかも、ただの変化ではなくお色気の術……。
「……ッなぁっ!?」
ナルトのお色気の術にはかからなかったサスケだが、今回は真っ赤になってたじろいだ。
その隙を見逃さず、メンマの術がサスケを襲った。
「…………勝者、メンマ……」
そのままサスケは戦闘不能なり、ハヤテがコールした。
「……あれって、流だよね……?」
ルミが変化を解いた姿を見たことがあるカカシは何とも言えない表情で呟いた。
「流!勝ったってばね!」
メンマは観客席に上がって来ると、自分の班員のもとへ行く前に私のもとへやって来た。
"ゴンッ"
だが、私は嬉しそうに近づいてきたメンマの頭頂にげんこつを落とした。
「イタイッてばねぇ!何するの!?」
メンマは突然の事に目に涙を浮かべ私を見た。
『……どうしてか、分かるよな?』
私が微笑みを浮かべて言うと、メンマがぴしっと音をたてて固まった。
長年私といたメンマは、私の笑みが怒りによるものだと気付いたのだろう。
「……えっと、流の仲間に勝っちゃったから?」
メンマは理由が分からなかったようで戸惑いながら答えた。
『……あの術は何だ?』
私はメンマの答に、正解とも間違いとも言わずにそう言う。
「お色気の術だってばね!」
メンマが答えた。
『それは知ってる!何であの姿何だって聞いてるんだ!』
私はギロっとメンマをにらんだ。