第34章 中忍試験~三次試験本選~
「…………ウスラトンカチ?」
メンマはサスケの言葉を繰り返して首をかしげた。
だが、それが誰を指す言葉かすぐに気づいた。
「……これはお母さんの話し方のだってばね…………」
メンマが小さい声で呟く。
「…………それに…………兄ちゃんをバカにすんなってばねぇぇぇぇぇ!!」
メンマが叫んだ。
腰まである赤い髪がチャクラをまといゆらゆらと揺れてたてがみのようになる。
『……赤い血潮のハバネロ……』
それを見た私は思わず呟いていただろう。
恐らく、彼女を知る者は絶対私と同じことを思ったに違いない。
現に、隣を見ると、カカシが青い顔をして固まっていた。
カ(ク、クシナさん!?
……先生の得意な術といい、彼女はいったい……?)
そこでカカシは重大な事に気づいた。
カ(そう言えば、兄ちゃんをバカにするなって…………まさかナルトのことか?
いや、そんなバカな……)
そのとき、カカシの脳裏に過去の任務で流がナルトに言っていた言葉を思い出した。
[ナルト、お前に家族がいたらどうする?
お前の妹と会ったことあるんだ……]
俺は思わず隣に座る流を見てしまった。
カ(流は何か知っているな……)
俺は本選が終わったら流に話を聞こうと決め、試合に視線を戻した。
「……あんたがバカにした兄ちゃんの得意な術で勝ってやるってばね!」
メンマが眼をギラギラさせながら呟く。
「へっ、やって見やがれ!」
サス(ナルトの術何かでやられるかよ!
……それより、兄ちゃんってどういうことだ?)
サスケ不敵に笑いながら構えた。
(ナルトの得意な術?)
私は螺旋丸のことかと思ったが、ナルトはまだ螺旋丸を使えないはずだ。
私が首を捻っていると、メンマが印を結んだ。
(……っ!?あの印は!!)