第34章 中忍試験~三次試験本選~
「火遁・豪火球!」
先手を取ったのはサスケだった。
巨大な炎がメンマを襲う。
だが、メンマは素早く飛び上がると脇に避けた。
だが、避けた先にはサスケが先回りしていて蹴りを繰り出していた。
「ナルちゃん!」
メンマはそう言うと、予選で私に使った傀儡を口寄せしてサスケの蹴りを防いだ。
(…ナルちゃん?)
私はたった今知ったメンマの傀儡の名前に7班の一人が頭を過った。
(まさか…)
そう思った私は、傀儡を見て確信した。
(ナルちゃんって、ナルトからきてるんだ…)
傀儡は金髪をしていて、目は青いガラス玉で作られていた。
『ブラコンかっ!』
思わず一人で突っ込んでしまった。
だが、ナルちゃんは強かった。
正確には操っているメンマが強いのだが……。
サスケはメンマに苦戦していた。
弱いと思っていたメンマに苦戦して、サスケは焦りだしていた。
サスケはメンマに豪火球を放つと、距離をとり、腰を低くしたかまえを取った。
「…ここで使うことになるとはな」
サスケが呟いた。
「まさか、サスケ…」
私の隣で観戦していたカカシが驚いている。
カカシも、サスケが今からやろうとすることが予想外だったようだ。
二人とも、メンマがここまでやるとは思わなかったのだろう。
"チチチチ"
サスケの手に青いチャクラが集まり出す。
それを見て、メンマが口の端を上げた。
「千鳥!」
サスケがメンマに向かって千鳥を放った。
だが、メンマはそれより一瞬早く千本を投げた。
しかし、サスケは顔に飛んできたそれを首を傾け、千本が当たるのを避ける。
"ドカッ"
次の瞬間、サスケは地面に叩きつけられていた。
一瞬、会場に全体が静まり返る。
「何、今の…?」
サクラが呆然と呟いた。
確かにサスケの術が当たったと思った瞬間、メンマが消えてサスケの背後に現れたのだ。
そして、サスケはメンマの踵落としを食らって倒れたのだ。
「あの術は…まさか…」
カカシの呟きをサクラが拾った。
「カカシ先生、知ってるの?」
サクラがカカシに問いかけた。