第34章 中忍試験~三次試験本選~
「では、これより中忍試験の本選を行いたいと思います」
中忍試験の会場に並んだ受験者達を確認して、審判の月光ハヤテが告げた。
そう、開会を宣言したのは月光ハヤテだった。
私は観客席で、それを見てほくそ笑む。
(いい方向に原作が変わってる。)
本来だったらバキに殺されているはずのハヤテは生きていた。
何でも、ドスが我愛羅を闇討ちしようとして、メンマと我愛羅が返り討ちにしたとき、ハヤテがバキと音忍の密会の場所に居合わせそうになったのを二人が止めてくれたらしい。
それを修行の時に聞いたときは二人に心から感謝した。
「それでは、第一回戦を始めます……
選手以外は観客席へ戻って下さい。」
ハヤテの言葉にメンマとサスケ以外が観客席へ上ってくる。
(ってか、サスケ遅刻してないし)
私は開会からしっかり会場にいたサスケに驚いていた。
(もう千鳥は完璧ってことか……)
私は原作とずれ始めた現実に、もしかすると、サスケの千鳥の限界が二発以上になっているかもしれないと予想した。
「……降参してもいいんだぜ?」
メンマと向き合ったサスケがそう言って口の端しを吊り上げた。
「それはこっちの台詞だってばね!」
メンマはサスケをにらみ返すとそう言った。
いつも他人には弱気なメンマが強気になっているのを見て私は驚いていた。
「それでは……始めて下さい!」
ハヤテが試合開始の合図をすると同時に二人が距離を取った。