第33章 紅い千鳥
sideーサスケー
俺は、カカシと修行の約束をしていたが、近くに突然表れた気配に気付き、気配のもとへ向かっていた。
(どうせアイツは遅刻してくるだろ)
そんなことを思いながら歩いていると、服が落ちているのを発見する。
「何だ?」
俺はそれを拾い上げる。
女物のそれは、長袖で、今の暑い季節にこんな服を着ている奴は一人しかいなかったと思い出す。
それは、中忍試験の本選で一回戦で俺とあたる砂里の奴だった。
(それにしても、何でアイツの服がこんなところに?)
俺は疑問に思いながら服から視線を戻し前を向いた。
サス「……なっ!!」
メ「イヤァァー!!」
俺と目が合って悲鳴を上げたそいつは、まさしくこの服の持ち主だった。
(何で服を着ていない!)
俺は悲鳴を上げるそいつを見て驚いたまま固まってしまった。
『えっ…………?』
そのとき、聞き覚えのある声がした。
声のした方を見ると流が唖然と立ち尽くしていた。
『……サスケ?』
流の視線が、女から、俺、そして俺の持っている服へと移動した。
『まさか、サスケ……』
サス「なっ!ち、違う!俺は急に気配を感じてここに来て、それで落ちていた服拾っただけだ!」
俺は柄にもなく焦った。
何故か流に勘違いされると思うと焦らずにはいられなかった。