第33章 紅い千鳥
"チチチチチチ"
修行を始めて二週間、私は右手に雷と火のチャクラをまとわせ術を発動させていた。
私は岩に向かって駆け出す。
"ガキッ"
私の腕は岩に突き刺さり、腕の周りの石を粉々にした。
『やった!』
私は右手を岩から抜くとガッツポーズをした。
ようやく成功した術は雷遁だけの千鳥よりも威力が上がっていた。
私は喜びを噛みしめ、二人の様子を見ようとメンマと我愛羅を探した。
メンマは飛雷神の術を練習し始めていたが、まだうまく行っていないようだった。
我愛羅も、なかなか守鶴を口寄せできないでいた。
「イヤァァー!!」
二人を探していた私に、メンマの悲鳴が聞こえてきた。
私はあわてて声のした場所に瞬身で向かった。
(メンマ、無事でいて!)
私はメンマがダンゾウにあってしまったという最悪な状況になっていないことを祈りながらメンマのもとへ駆けつけた。
『えっ…………?』
私は、そこで目にした光景に唖然とした。
そこには、私の全く予想していなかった光景が広がっていた。
あまりにも予想外すぎて、私はしばらく思考が停止した。