第33章 紅い千鳥
「ゲシマユ!見舞いに来たってばよ!」
私と我愛羅がリーの病室を出ようとしたとき、音を立ててドアが開いた。
そこにいたのはナルトとシカマル。
「あー!お前ってば!こんなところで何してやがる!!
流!そいつから離れろってばよ!」
ナルトは我愛羅を見て叫ぶと私にそう言った。
私は苦笑いして我愛羅をみる。
『我愛羅、大丈夫。』
私はそう言って我愛羅のてを握る。
我愛羅はいまだに里の人々に化け物扱いされる事がある。
今のナルトの一言が我愛羅の心に傷をつけないかが心配だった。
「ナルト君!我愛羅君はボクに謝りに来てくれたんです!
それに、本気で来てくださいと言ったのはボクですよ!我愛羅君は悪くありません!」
見かねたリーがナルトに声をかけた。
我愛羅は驚いてリーを振り返る。
「そうだってば?
焦って損したってばよ!」
ナルトはそう言うと、我愛羅に近づいて自己紹介を始めた。
シカマルも病室に入ってきて我愛羅名前を教える。
私とメンマ以外とまともに会話した事のない我愛羅は戸惑いながらもナルトと握手をしていた。
「話し方以外似ていないと思ったが……」
我愛羅はナルトを見ながらぼそりと呟く。
メンマとの共通点を見つけたのだろう。
その表情は優しかった。
『我愛羅、俺、ちょっと行くとこあるから。』
私はそう言って病室を出る。
ついて来ようとした我愛羅を手で制し、ナルトたちと話している我愛羅をおいて、私は次の目的の部屋へ向かった。