第32章 中忍試験~第三試験予選~
『理由は言えないんですけど、私、砂の里で命狙われてたんです。
それで、風影様が、私を木ノ葉に送ることで守ってくれました。
変化は暗殺者を欺くためのものです。』
流の言葉に俺は息を飲んだ。
恐らく流は幼い頃から命を狙われて来たのではないかと 予想する。
俺は、流になにも言えなくなってしまった。
『それより、先生!まだ予選中ですよね?戻りましょう?』
流は黙ったままの俺にそう言うと来た道を戻って行く。
「あ、流!
流は病院で大人しくしててなきゃ駄目でしょうよ?」
俺は流の腕を引いて止めるとそう言った。
『大丈夫です。ひどい気怪我もないし、疲れてるだけですから!
…………それに、呪印のことなら先生が側にいてくれたほうが安心じゃないですか?』
流はそう言うと、引き止めたはずの俺のてを引き試験場に戻ろうと歩き出す。
「……ハァ、こりゃまいったね……」
何故病院にいさせたいかを分かっているような流の発言に俺はため息を着いた。