第32章 中忍試験~第三試験予選~
sideールミー
私はゆらゆらと夢のなかをさ迷っていた。
『……んっ……』
ようやく意識が浮上してきて目を開けると、銀色がちらついた。
『か、かし?』
漫画の登場人物にそっくりなそれを見て、ぼんやりと呟く。
だが、次の瞬間私は慌てた。
『……せっ、先生!!』
(そうだっ!私、一回死んで転生したんだ!)
前世の夢を見たせいで記憶が混乱していたが、状況を把握して慌てだす。
私が、暴れだすと、カカシはため息をついてゆっくりと私を降ろしてくれた。
「もう目が覚めたなんてね。
今からお前を木ノ葉病院につれてく所だったんだけど……
その前に、それ、説明してもらえるかな?」
カカシはにこりと笑ってそう言う。
そこで私は、ようやく変化の術が解けていることに気付いて更に慌てた。
『え、っや、あの、これは~……』
私はどもると、諦めてため息を着いた。
『先生、この事は内緒にしていてください。』
私はそう言うと、カカシ以外の誰かにこの姿を見られる前に、印を組んでいつもの姿に戻った。
『私が、砂の里から来たことは知ってますよね?
……理由は言えないんですけど、私、砂の里で命狙われてたんです。
それで、風影様が、私を木ノ葉に送ることで守ってくれました。
変化は暗殺者を欺くためのものです。』
私は嘘の理由を告げた。
だが、流は風影の養子だ。
少しは信憑性があるだろう。
カカシは私の言葉に俺は息を飲んだ。
どうやら騙されてくれたようだ。
『それより、先生!まだ予選中ですよね?戻りましょう?』
私は黙りこんでしまったカカシにそう言うと、試験会場に向かって歩き出す。
「あ、流!
流は病院で大人しくしててなきゃ駄目でしょうよ?」
そんな私の腕を、カカシが引いた。
(暗部の護衛つけて見張らせるつもり何だろうけど、万が一、根のやつらに私が、うちはルミだとばれたら、その方が危ないからな~)
『大丈夫です。ひどい気怪我もないし、疲れてるだけですから!
…………それに、呪印のことなら先生が側にいてくれたほうが安心じゃないですか?』
カカシは、私が、暗に護衛は先生がよろしく、と言ったことが通じたようでため息をはいて着いてきてくれた。