第5章 お留守番
「これでお仕舞いだ。」
そう言って振り返ったイタチが驚いた顔で動きを止めた。
しばらくして、その唇が、写輪眼、と音を立てずに動く。
私は、不味かったかな?と思いつつも写輪眼をそのままにイタチが近いてくるのを待っていた。
「凄いな、俺だってまだ開眼していないのに…。」
イタチはそう言うと私の目を覗き込んでくる。
私は恥ずかしくなって顔を背けた。
「褒めてるんだぞ?」
イタチは私が機嫌を損ねたと思ったのかそう言って頭を撫でてきた。
その後、私はクナイを貸せとイタチに拝み倒して
今は、危ないからと言ってイタチがくれた木製の手裏剣で遊んでいる。
と言っても、本人は修行しているつもりだ。
「…投げられるようになるには、まず立たなくちゃだな。」
イタチは四つん這いで手裏剣を床に叩きつけている私に笑いながらそう言った。
(そっか!先ずはそこからじゃん!!)
そこで私は、ようやくその事に気付いたのだった。