第30章 中忍試験
「君らの後ろ……あいつらは雨隠れの奴らだ。気が短い。試験で皆ピリピリしている。どつかれる前に注意しとこうと思ってね。
ま、仕方ないか。右も左も分からない新人さん達だしな。昔の自分を思い出すよ。」
カブトがそう言う。
「じゃあアナタは二回目なの?」
サクラがカブトの言葉に、そう質問する。
「いや、七回目。この試験は年に二回しか行われないからもう四年目だ。」
カブトはサクラの問にそう答えた。
「可愛い後輩にちょっとだけ情報をあげようかな。
この忍識カードで。」
カブトはサクラと少し会話をしたあと、そう言って自分の忍具入れから忍と書かれたカードを取り出した。
「忍識カード?」
全員が首をかしげる。
「簡単に言えば、情報をチャクラで記号化して焼き付けてある札のことだ。
この試験用に四年もかけて情報収集をやった。カードは全部で200枚近くある。
見た目は真っ白だけど、このカードの情報を開くには…」
カブトは説明しながら、床に広げた一枚のカードに指をのせ、クルクルとまわし始める。
チャクラを流されカードに地図と何かのグラフが浮かび上がった。
「わぁ、すごい!何の情報?これ?」
サクラが驚きに声を上げた。
「今回の中忍試験の総受験者数と総参加国。
そしてそれぞれの隠れ里の受験者数を個別に表示したものだ。
そもそも、なんで中忍試験を合同でやると思う?」
カブトが質問する。
そして、そこからカブトの説明が始まった。