第28章 Aランク任務?
『さっき、サスケと話したんです。サスケが復讐の為に強くなりたいというのを聞いて、悲しくなったんです。』
私はカカシの方を見ずにそう答える。
カ(この子は自分のことでなく、また他人のことで悲しんでいたのか。)
カカシはいつも悲しむ理由が他人の為であるルミに疑問を持った。
「流は、いつも他人のことで悲しんでるよね?自分のことで悲しいときとかな~いの?」
カカシは疑問に思ったことを口にした。
『え?…だから、今泣いてたじゃないですか。』
私は、たった今自分のことで泣いてたという意味で答える。
「ん~、何か違うのよね?」
カカシが苦笑いして頭をかく。
『……人が悲しむの、嫌なんです。だからみんなをこれから先起こる悲しい事から守りたい。
・・・できる事なら、皆の辛いことや悲しい想いを全て引き受けられたらいいのにって思うんです。』
私はさっきまで涙を流しながら考えていた事を話す。
(前世でいつも、NARUTO読みながら全部の辛いこと引き受けたいなって、思ってたっけ。)
私は話ながら思い出す。
「…そしたら、流の悲しい事は誰が引き受けるの?」
カカシが私の言葉にそんなことを聞いてきた。
『俺?どうしてです?』
私は他人の悲しみを引き受けたいのに、私の悲しみを誰かが引き受けてどうするのだろうと首を傾げる。
すると、カカシがため息をついた。
「だって、辛いでしょーよ?」
カカシがそう言う。
『自分が辛いのは別にいいんです。耐えられるから。』
私はカカシにそう答える。
他人の悲しみは本当に辛い。でも、なぜか自分のことになると、そうでもない。
カカシはそんな私を困ったように見つめていた。
「それじゃ、流に悲しい事があったらオレが引き受けてあ~げる。」
カカシはそう言って、だから何かあったらオレに話すように!と笑う。
カカシはルミの優しさや涙の綺麗さに、思わずそんなことを言った自分に内心驚いていた。
カ(怪しいところいっぱいある子だけど、な~んか守って上げたくなっちゃうんだよねぇ。)
カカシはそんなことを考えながらルミの頭を撫でた。