第27章 生かす強さ
『……先生!』
ハクが帰ってすぐ、わずかな気配を感じて振り返った私は声を上げた。
そこには松葉杖をついたカカシ。
『何やってるんですか?』
思わずあきれた声を出してしまった。
「ん~、散歩?」
カカシは疑問系でそう言った。
『俺に聞かないでください。……帰りますよ』
私はそう言ってタズナの家に向かって歩き出す。
カカシも黙って後をついてきた。
「流!なにやってるの!」
タズナ家に戻ると、すでに全員起きていて、私はサクラに怒られることになった。
「怪我してるのにどこいってたの!?」
サクラは怒りながらも私の心配をしてくれる。
『あっ!』
私はサクラの言葉に、ハクとのやり取りを思いだして上着を脱いだ。
「ちょ、ちょっと!」
突然服を脱ぎ出した私にサクラが驚きの声をあげる。
私はそれに構わず包帯を外した。
『おぉ、治ってる!』
私はほとんど治った傷に喜ぶ。
「えっ?どういう事?」
サクラは傷を見て驚いている。
私はハクに医療忍術を施してもらったことを話した。
「そんなことができるんだ……。」
サクラは何か考えるように呟いた。
サク(もし、私もできるようになったら、ただ泣くだけじゃなくて治すことが出来るかな?)
サクラはルミが気を失った時、死んだと勘違いして、ただ泣くことしか出来なかった自分を思いだして考えていた。