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第27章 生かす強さ


『ウゲッ』

表れた傷に私は思わず声を上げた。貫通しなかったとはいえ、手が刺さったそこはグロテスクなことになっていた。

(そりゃ痛いわけだわ)
そんなこと思っているとアルコールの匂いがした。


「消毒するわよ。」


サクラがそう言って消毒液を染み込ませたガーゼを近づけてきた。


『アッ!』

私の喉から高い声が洩れた。

(…………うあああああ、アッ、て何だよ!アッ!って!!)
私は、思わず痛みに洩れた声に顔が熱くなるのを感じた。

背中に震えを感じて振り返るとカカシが笑っていてさらに恥ずかしくなる。


「大丈夫か?」

ナルトは痛みに声を上げた私を、素直に心配してくれていた。

「我慢して、後少しだから。」

サクラがそう言って消毒を再開する。

(ぎゃーっ、痛いぃぃぃぃ!)

私は心のなかで叫びながらひたすら痛みに耐えた。

ようやく長く感じた消毒が終わるとサクラが包帯を巻いてくれる。

私はカカシに支えてもらって再び横になった。

(オホゲツ使いたい……。)

私は万華鏡写輪眼を使えないこの状況に切実にそう思った。

(カカシにあやしまれているから医療忍術も使わないほうがいいもんな~)

私はそう考えてため息をついた。
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