第27章 生かす強さ
再不斬は駆け出し口でくわえた苦無いであっと言うまに橋の上にいる敵を切り裂いて行く。
そして、最後にガトーの首をはねた。
一瞬の沈黙後、再不斬はハクの方を向いて歩き出した。
そして、ハクの隣に力尽きて膝を着いた。
「・・・ハク ……。」
再不斬はハクの頬に手を添えた。
「!!」
次の瞬間再不斬は息を飲む。
(温かい!!)
ハクが眠っているだけと知らない再不斬は、死んだと思っていたハクが温かいことに驚いた。
「ざ、再不斬さん…」
ハクがゆっくり瞼を持ち上げて再不斬を見ると微笑んだ。
その瞬間、再不斬の瞳から水滴が落ちた。
『言っただろ?俺は殺す覚悟はないけど、守る為に命をかける覚悟は出来てるって。』
私はそう言って二人を見た。
「再不斬さん、眠っているとき、再不斬さんの声がしました。……ありがとうございます。」
ハクは夢うつつで聞いた再不斬の言葉を思い出しそう言った。
再不斬は恥ずかしかったのか無言だ。
そんな二人に辺りの空気が緩んだ。
だが、その空気はすぐに壊されることになった。
後から現れたガトーの手下が武器をてにこちらにやって来る。
「くそっ、戦うだけのチャクラなんて残ってないぞ!」
それを見たカカシが眉根を寄せる。
もちろん再不斬も力を使い果たしている。
ハクは先程まで仮死に近い状況だった為ほとんど動くことが出来ない。
『ナルトとサクラが戦えるはずだ。』
私は、いつの間にか私の後ろにしゃがんで背中を支えていてくれたカカシを見上げそう言った。
(サスケは千本の傷があるけど少しは戦えるはずだし、サクラとナルトはほとんど戦闘をしていない。)
「あの二人じゃ危険だ!」
地べたに座り込んでいる私にカカシが首を横に振る。
『先生、ナルトは強いです。サクラも、1週間ただ護衛していた訳じゃありませんよ?』
私は腹の痛みに声を震わせながらそう言った。
カカシはその言葉に息を飲んだ。
カ(誰もが落ちこぼれと評価するナルトをこんな風にいう奴がいるなんて…、しかもサクラが護衛していただけじゃないとはどういうことだ?)
カカシがルミの言葉に疑問を持ったときだった。
「しゃんなろー!!」
サクラの声がカカシの耳に届いた。