第27章 生かす強さ
ハ「君の手を汚させることになってすみません…。」
ナ「それしか、それしか方法はねぇのかよ…!」
ナルトは何かを懇願するように、顔を歪ませて叫ぶ。
まるで、ハクだけでなく自分に問いかけるような叫び。
『生きることに意味なんて、理由なんていらない。』
私は淡々と口にした。
私の言葉に、ハクやナルトだけでなく、サクラにサスケ、タズナまでもが驚いた視線を向ける。
私は一度にたくさんの視線を浴びて苦笑いした。
だが、次の瞬間辺りに充ちた殺気に笑っている場合出はないとさとる。
「っ!?再不斬さん!!」
ハクが慌てて再不斬の元に向かおうとする。
…が、動くことができず、悲鳴をあげた。
「お願いします!術を解いてください!」
私を見て、敵だということも忘れてそう言う。
『ダメ、君は寝てて?』
私はそう言ってハクの耳元に口を寄せると子守唄の一節を口ずさんだ。
そのとたん、ハクが地面に崩れ落ちる。
私は微笑み、瞬身の術でその場から消えた。