第27章 生かす強さ
次の瞬間、サスケがハクの隙をついて攻撃を仕掛けた。
『サスケ、ストップ。』
私は瞬身を使うと、サスケの腕を掴んだ。
「っ!!」
サスケは驚いた顔で私を見る。
「どういうつもりですか?」
ハクも私を見てそう言った。
『俺たちの任務はタズナさんの護衛だ。必要以上の戦いをするつもりはない。
ハク、お前はもう動けない。だから戦う意味がない。』
私はそう言ってハクの目をみる。
「何を言って……ッ!?」
ハクはそう言って動こうとしたが、驚きの声を発しただけだった。
仲間にも気づかれないように写輪眼を発動させた私はハクの自由を奪っていた。
サスケはハクの動けない理由がわからず驚いている。
「………僕を、殺してください。」
小さく呟いたハクの声は、音量に関わらずその場に響いた。
「!?」
ハクの声が聞こえたナルトやサクラ、サスケまで驚いている。
『断る。』
こうなることがわかっていた私は即答した。
ハ「よく勘違いをしている人がいます。倒すべき敵を倒さずに情けをかけた。命だけは見逃そうなどと…
知っていますか、夢もなく、誰からも必要とされず、ただ生きることの苦しみを…。」
『知ってるさ。』
前世の記憶だが、そんなのいやというほどわかっている。
ハクは即答した私に驚いていた。
「なら、なぜ殺してくれないんですかっ!?再不斬さんにとって弱い忍は必要ない…。君は僕の存在理由を奪ってしまった。」
ハクは悲しそうに微笑んだ。
「何であんな奴のために、悪人から金をもらって悪いことしてるじゃねーか!!お前の大切な人ってあんな眉無し1人だけなのかよ!」
それを聞いたナルトが私が答える前にハクに向かって叫んだ。
「……ずっと僕にも大切な人 がいました。僕の両親です。」